戦法紹介:早石田

今回の記事では初の試みである、戦法紹介をしていこうと思います。
自分にとっても思い出深い、早石田について語っていきます。

自分がこの戦法に出会ったのは、将棋を始めて数カ月くらい?
そのころは将棋クラブみたいなものが近くの公民館で行われており、よく参加していました。
自分はそのころ居飛車一辺倒で、ひたすら棒銀を指していました。
クラブには小学生くらいが多く、低学年の子もいました。
そんな中、特に将棋の強い子がいました。同年代の中でも別格だった記憶があります。
そんな強い子が使っていた戦法が早石田でした。
出会い以外にも、自分を成長させてくれた戦法でもあり…おっと、これ以上は本筋からそれてしまいますね。

早石田って、名前からしてもう速そうですよね。実際、速いです。攻撃の手が早い。たった3手で臨戦態勢。
力戦に使わなきゃもったいない。

歴史はめちゃくちゃ古くて、江戸時代中期にはすでに成立していたらしいです。生みの親は盲目の棋士・石田検校。
今でこそ早石田なんて呼ばれてますけど、当時は宗無流とも呼ばれてたそうな…

俳句とか書いてた人(各務支考)も将棋好きで、この戦法を「香車道に身を隠し、命惜しまず飛車が突っ込む」って評してます。
なんというロマン将棋。

基本の出だしは▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩。
ここまでで、もう戦う準備が整ってます。振り飛車といえば攻撃を受け流して捌く…
ですが、早石田はむしろ最初から殴る気満々。

鈴木大介八段いわく、「振り飛車なのに先に攻められる」。
玉は美濃囲いで守る。攻撃と守備のバランスも悪くない。攻めは飛角銀桂、守りは金銀3枚…格言に忠実な構えです。

昔は△8四歩が来ると石田流ってちょっと苦しかったらしいです。でも最近は「いやいけるっしょ」って雰囲気になってきて、研究もだいぶ進んでる。実際、今でもプロの実戦で見かけます。

統計によると、▲7五歩に対して△1四歩とか△4二玉とか、後手の対応も多種多様。つまり、まだまだ研究の余地がある。
そこらへん、AIが開拓してくれたりするんでしょうか。まぁ、今のAIで振り飛車指すなんて絶滅危惧種でしょうけど…

この戦法を現代によみがえらせたのが、鈴木大介八段と久保利明九段。このお二人が指し始めてから、石田流という攻めの戦法を広く知らしめたんだとか。

ちなみに居飛車サイドで対策してた佐藤康光九段は、「石田流って、振り飛車のくせにめちゃくちゃ主導権握ってくる」なんて言ってたり。

女流でも里見香奈さんが早石田を採用してますね。名人戦で堂々と使って勝ってる。強い人が使ってる戦法は信頼できる。

・速攻で戦える
・攻撃と守備のバランスが良い
・研究余地があっておもしろい
・歴史が深くてロマンがある

まだ指したことない人がいればどうでしょう。ぜひ一度、飛車を7筋に走らせてみてください。
結構はまりますよ。